
今回のお話は『ぼくのねこポー』。あらすじや読書感想文の例文、伝えたいことなどをご紹介しています。対象年齢は小学校低学年。2025年夏の青少年読書感想文全国コンクールの課題図書になっています。
学校帰りにねこを見つけ、家に連れて帰ったとおる。でもそのねこは本当は転校生の森君の家のねこのようで・・・。
とおるは森君の家のねこではないことを願いながらも、心の底では森君の家のねこに違いない、とも思っています。
大好きで大切な存在を失いたくない気持ちと、嘘をついていることを後ろめたく思う気持ちの間で、とおるの心は揺れ動きます。
子どもの素直な気持ちやずるい一面、どうするべきか悩む気持ちが、手に取るように伝わってくるお話です。
このお話の中で、とおるは嘘をついたことをお母さんにも森君にも伝えていなし、謝ってもいません。でも、2人ともきっと気づいていますよね。登場人物みんなが思いやりを持ち合わせている、やさしいお話です。
- とおるの気持ちの変化を追ってみよう
- 正しいことをする時には、自分の感情を押し殺すこともある
- 動物を飼っているお子さんや友達関係に悩んでいるお子さんにおすすめ!
うちの三男、グレーゾーンボーイです。
私は地方在住の50代の主婦。子どもの教育に関わる仕事を週2回ペースでしている”つつじ屋”といいます。
家族:だんな 定年間近の会社員
長男 大学生 勉強が大好き
次男 大学生 自由が大好き
三男 高校生 ウルトラマン大好き
三男は発達障害グレーゾーンで境界知能の持ち主です。
このブログでは、この三男にまつわるエピソードや困り事を、グチ多めでつづっていきたいと思っています。よろしくお願いします。


この読書感想文の例文を活用して、文章を「書く価値がある」の?
夏休みといえば頭が痛くなるのが「読書感想文の宿題」ですよね。
親が代筆してまで子どもの読書感想文を手伝う。などは私のグレーゾーンボーイの三男にも行っていました。
じゃあなんで読書感想文なんて書かなければいけないのでしょう。
まぁズバリ言ってしまえば「宿題」だからです。なので難しいことは抜きにして提出しなければならないものはさっさと提出できるように、この読書感想文の例文を活用して下さいね!
また小学生の子どもを持つ親御さんにとって、このブログの読書感想文を使って「書く価値がある」のかもいくつか考えてみました。
1. 子どもたちの参考となる、具体的な読書感想文
この読書感想文により、どのように文章を構成し、どのような内容を盛り込むべきかが明確になるため、子どもが読書感想文を書く際のサポート役として活用することができます。
2.子どもとママのストレス軽減
夏休みの宿題は子どもや親にとって大きなプレッシャーになることがあります。
特に読書感想文は、文章を書くのが苦手な子どもにとっては大きな負担です。子育て世代のママたちは子どものストレスを軽減し、楽しい夏休みを過ごさせたいという気持ちも強いですよね。
3. 忙しいママと子どもの時間を節約
忙しいママや子ども(子どもは暇かな?)にとって、読書感想文の書き方やアイデアを一から考えるのは大変です。
このブログに掲載された読書感想文を参考にすることで、時間を節約し、効率的に宿題を進めることができますよ。皆さんも時間を節約するために、このブログに訪れるかたも多いのではないでしょうか!
この読書感想文のブログ記事を掲載することで、多くのパパ・ママの手助けができ、子どもたちの学びがより充実したものになると考えています。
私の読書感想文が多くのパパ・ママにとって貴重な情報源となることを願っています。

『ぼくのねこポー』あらすじ&おすすめポイント
- 『ぼくのねこポー』あらすじ
- お話の見どころ・読みどころ&おすすめポイント

『ぼくのねこポー』あらすじ

とおるは学校からの帰り道で、しましま模様のねこをみかけます。次の日の朝にも、学校帰りにもまだいました。
ねこをやさしくなでていたら、雨が降り出してきました。濡れてしまうと思ったとおるは、とっさにねこを抱き、家へ連れて帰ります。
家に着くととおるはお母さんに「箱に閉じ込められていた」と嘘をついてしまいます。お母さんはこのねこに心当たりがないか、近所に尋ねに行きました。でも、ねこを知っている人は誰もおらず、そのままとおるの家で飼うことになります。そして「ポー」と名付けました。
まもなく、とおるのクラスに森君という転校生がやってきます。森君は「引っ越した日からねこがいなくなってしまった。」と言っていました。とおるは複雑な気持ちになります。
それから、森君とはあまり話せなくなってしまいます。「森君のねこ、早く見つかるといいね。」という言葉が言えません。
ある日、放課後クラブでとおるがポーの絵をかいていると、森君がやってきました。とっさに絵をかくすとおる。森君がそばに来て「トムの絵をかくんだ。」と言うと「向こうへ行けってば!」と森君を突き放してしまいます。森君はとても悲しそうです。
放課後クラブからの帰り道。とおるは胸が真っ暗になりました。「ポーは森君のねこかもしれない。そうだとしたらポーを森君に返さなきゃいけない。でもそんなの嫌だ!」とおるはとても苦しい気持ちになります。
家に帰ってポーの背中をなでながら「トム」と呼んだら、涙があふれてきました。でもここでとおるはトムの気持ちを考えていなかったことに気づきます。トムは森君に会いたいはずだと。
とおるは森君の家に行き「うちにいるねこがトムかもしれない。」と伝えます。すぐに森君がとおるの家に駆け付けると、ポーはやっぱり森君の家のトムでした。そしてとおるは本当は森君に謝らなくちゃいけない、と思います。そしてお母さんにも嘘をついたことを謝らなくちゃいけない、と思います。
とおるはポーと別れるのはつらかったけれど、うれしそうなトムを見て「トムよかったね」と言えました。
お話の見どころ・読みどころ&おすすめポイント

- とおるが自分の気持ちを我慢して、正しいことをしたこと
- 自分の気持ちに正直な子どもの行動
- お母さん、森君、ポー(トム)、それぞれの気持ちはどうだったのか?
本当はずっとポーと一緒にいたかったけれど、やっぱり森君にちゃんと返したとおる。悪いことをしたからというよりも、ポー(トム)の気持ちを考えての行動だったところに動物好きのとおるの良さが出ていますね。
この後、とおるは森君やお母さんに本当のことを言って謝れたのでしょうか。まあ、謝れなくてもいいのかなとも思いますね。この一件で、とおるはいろんな大切な気持ちを学んだはずですから。そして森君もお母さんも、そんなとおるの気持ちに気づいていたはずですから。
読書感想文『ぼくのねこ ポー』例文
『ぼくのねこ ポー』対象年齢は小学校低学年~

とおるはうそをついていたけど、本当はとてもやさしいと思います。一人でいるねこをつれて帰ってあげたんだし、最後にはちゃんと森くんにねこを返してあげたからです。やさしくなかったら初めからねこをつれて帰ったりしないし、森くんにも返さなかったはずです。
とおるは動物がすごく好きなんだろうなと思います。大切にしてあげてるし、森くんに返そうと決めたのもねこの気持ちを考えたからです。森くんが悲しがっているからではなくて、ねこは森くんの所へ帰りたいだろうと思って返すことにしたのです。
わたしだったら初めからつれて帰らなかったと思います。「あ、ねこがいる。」で終わってしまっていたはずです。とおるみたいに「帰る家はあるの?」とか「ご飯たべてるの?」なんて心配したりはしなかったと思います。
そんなに大好きで大切なねこをちゃんと森くんに返してあげたのも、えらかったと思います。いいことではないけど、ずっとうそをついて自分のねこにしておくこともできたはずです。でも、どうしたらいいのかをいっしょうけんめい考えて、ねこと一緒にいたい気持ちをがまんして、森くんに返しました。
確かにうそをついた時、それをだまっているのはけっこういやな感じです。わたしもテストの点数が悪かった時、お母さんにだまっていて、ずっとモヤモヤしていたことがあります。でも、そのことはけっきょくお母さんに言えませんでした。だから、モヤモヤがずっと残っていて、そのことを思いだすと胸がキュッとなります。
ちょっと思ったのは、ポーは本当はどうしたかったのかな、ということです。ずっとかわいがってくれていた森くんのことは大好きだったに違いありません。でも、家につれて帰ってくれて、大切にしてくれたとおるのことも大好きになっていたと思います。ポーにとってはどちらと一緒にいても幸せだったのかもしれません。
そしてとおると森くんはきっと大親友になれたと思います。トムと森くんととおるで一緒に遊んでくれているといいなと思います。
★★第71回青少年読書感想文全国コンクールの小学校低学年の部(1、2年生)に選定★★
引用元:ぼくのねこ ポー (PHPとっておきのどうわ) (アマゾン )
放課後クラブが終わった学校からの帰り道。白い家の近くでねこを見つけた。つれて帰りたいなと思ったけれど、お母さんは「だめ」っていうかもしれない。
そのとき、ぽつっとぼくの首に雨があたった。雨がふりだしたら、ねこがびしょぬれになってしまうと思って、家につれて帰った。お母さんは「すてねこなら飼ってもいいけど」といって、ねこに心当たりがないか白い家の近くにたずねにいった。でも、誰もねこのことは知らなかった。ぼくは、ねこに「ポー」という名前をつけた。
ぼくのクラスに森あつしくんという子が転校してきた。森くんと仲良くなって話していると、「家族は両親と妹と、それからねこ」といった。そして森くんは、「だけど、ねこがね、いなくなっちゃったんだよ」とつらそうな顔をした。ぼくはなんだかむねが急にドキドキしはじめた。「しんぱいだね」といったけど、どんなねこ? とは聞かなかった。どんなねこか、知りたくなかった……。
少年の心の機微を丁寧な筆致で描いた幼年童話です。
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『ぼくのねこポー』で伝えたいこと
- ”正しいこと”は分かっていても、自分の感情が抑えられないことがある
- ”正しさ”を選ぶことで、自分の感情を押し殺すこともある
- 自分の言動が周りの人に与える影響を考えよう、思いやりを持とう

”正しいこと”は分かっていても、自分の感情が抑えられないことがある
とおるは森くんに「ねこがいなくなった。」と聞いた時から、本当はどうしたらいいのか、分かっていたはずです。お母さんに噓をついたことも、とても後ろめたく感じていたことでしょう。
それでもどうしてもポーと一緒にいたい気持ちを抑えられませんでした。
子どものそうした行動や感情は、時に”わがまま”と一言で片づけられがちです。でも、子どもは子どもなりに考え、感じています。「本当はどうしたらいいのか。」ということを。その葛藤がきっと子どもを成長させるのでしょうね。
”正しさ”を選ぶことで、自分の感情を押し殺すこともある
正しいことが分かっていても、自分の感情を優先させたときに感じる後ろめたさ。その葛藤から”正しいこと”を選んだ時、それは自分の気持ちにはふたをしたことになります。
世間の人が思う常識や正しいことの枠にはまるためには、自分の欲求は後回しにする必要があるのです。
とおるも自分自身の気持ちに従えば、ポーと一緒にいたかった。でもそれはやっぱり”正しいこと”ではなかったのです。
自分の言動が周りの人に与える影響を考えよう、思いやりを持とう
とおるは初め「自分だけがこんなに悩んでいる。」と感じていたかもしれません。でもお母さんは、とおるがねこをつれてきたことや、森くんのねこだったことに疑問を感じていたことでしょう。森くんも、ねこがいなくなったうえに、とおるに冷たくされて、何が何だかわからなったはずです。
感情的になっているとどうしても周りのことが見えなくなります。自分の言動を客観的に見られることは大きな成長です。
そこに必要で大切なのは、思いやりの気持ちです。

読書感想文『ぼくのねこポー』あらすじと伝えたいこと まとめ
今回は400字詰め原稿用紙2枚分です(800字)
とおるはさぞや悩んだことでしょうね。ポーを返したくないけど返さないといけない。でも、ポーの気持ちを考えた時、とおるは”すべき行動”をとることができました。うそをつきとおすこともできたと思いますが、とおるはえらかったですね。
そしてお母さんも「何かおかしいな。」と気づいていたはずですね。
こういうことって案外身近にあります。ケンカしたけど謝れなかったり、返ってきたテストをお母さんに見せなかったり。そういう些細なことでも”正しいこと”と”自分の気持ち”が揺れ動きます。
とおるは森くんとお母さんに謝ることができたのでしょうか。わたしは謝れなくてもいいかなと思います。「ごめんね。」の気持ちは相手への優しさに変わります。その優しさがきっと相手にも伝わります。それでいいのではないでしょうか。

お子さんに本をたくさん読んでもらいたいと思っている親御さんに、絵本定期購読もおすすめです 〉〉
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出典 文部科学省 これからの時代に求められる国語力について
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↓こちらは夏休みの詩の宿題です